実は、隣にある建物がもう少しすると無くなる。というか、解体することになった。この解体業務、いわばばーさんから引き継いだ作業なのだが、この建物には監視カメラなどが付いていて、防犯対策としてもかなり役に立っていた。ところが建物を解体すれば、当然ながら監視システムも一緒に無くなる。というわけで、新しい監視システムが必要になった。
昨今は特殊詐欺の方々も怖いし、そもそも今いる場所が、地上げ屋なら「地上げにうってつけ」と言いそうなくらいの場所なのである。実際、過去には某大手コンビニに狙われて、家を24時間監視されていたこともある。さらに、最近やってきた不動産屋は、遡れば爺さんの物件で起きた放火事件にも関係していたり、その不動産屋が関わる隣の土地の工事では、「なんちゃらハウス」に家の付器を破壊された挙げ句、半ばバックレられたりもした。行政にも連絡したが、向こうも専任担当をアサインする話になった。
なかなか物騒である。
ちなみに、不動産屋の友人によると、大きな不動産取引をするなら、ショッピングモールを自前で運営できるくらいの不動産屋にしておいた方がいいらしい。イベント会場や沿線開発をやっているというだけではなく、実際に大規模な商業施設を継続して運営できる会社。
「そういうところにしておけ」
と、本人は断言していた。
そんなわけで、監視システムが必要なのである。
閑話休題。
監視カメラといえば、当然ながらカメラである。ただし、実際にカメラを設置できるのは隣の建物を解体してからになる。そして、カメラを付ければそれで終わり、というわけでもない。カメラをじっと眺め続けて、特殊詐欺の方々が乱入して自分が血まみれになるところとか、誰かが放火するところをメラメラと実況中継するわけにはいかない。なんらかの対応が必要である。今はリモートワークなので家にいることは多いが、別に自宅警備員ではない。家にいても仕事をしていれば、ピンポーンすらロストすることがある。
ここはAIで自動化である。
幸い、このご時世。当面、新しいデバイスがポンポン出てくるような状況でもなさそうなので、値上がりしまくる前に入手することにした。まあ、単に自分が欲しいだけなのだがw
候補はいくつかある。
DGX Spark
Blackwell。強い。ただし電気代もそれなりにかかりそうだし、何よりラズパイ感がない。
だいたい100万円コース。
ちなみにAmazonで買うとポイントでJetson買ってもお釣りが来るw
Jetson AGX Thor
実はDGX Sparkと比較したくなるくらい強力なマシン。方向性は違うが、どちらもBlackwellでUMA 128GBという、なかなか豪快な構成。ただし、こちらはちゃんとJetsonなのでラズパイ感がある。
ぱっと見、銀行の貸金庫のトレー。
だいたい120万円コース。
こちらもAmazonで買うとパソコン1台分くらいのポイントが来るw
今になって考えると、DGX SparkではなくJetson AGX Thorという選択も面白かったかもしれない。
ただ、これを玄関にポンと置いて真夏に24時間動かすのはちょっと怖い。放火対策で導入した監視AIが、自分から出火したら洒落にならない。
Jetson Orin Nano Super
UMA 8GB。
これは非常にラズパイ感がある。しかもカメラを直接つなげられる。
だいたい10万円コース。
ちなみに、これらは去年なら今よりずっと安く買えた。感覚的には半額くらいである。相変わらずすごいインフレ。
自分は去年、すでにDGX SparkのASUS版を買ってしまっている。というわけで、今回は NVIDIA Jetson Orin Nano Super を入手した。
これがなかなか良い。
まず消費電力が少ない。消費電力が少ないということは発熱も少ない。設置場所をそれほど真剣に考える必要もなく、何よりコンパクトである。
さらにRaspberry Piと違って、HATなどを追加しなくてもNVMe SSDをネイティブに使える。
実はRaspberry Pi 5を買って、NVMeを使えるようにして、冷却して、あれこれ追加して……とやっていくと、Jetson Orin Nano Superとの価格差は思ったほど大きくない。
しかも、こっちにはNVIDIAのGPUが付いている。そう考えると、用途によってはかなりお得なのではないかと思う。
さらに、今までCPU推論で頑張っていた場合、その次の一台として Jetson Orin Nano Superはありかもしれない。
同じ8GBクラスのGPUを別途用意することを考えると、用途によってはこちらのほうが使い出がある。
特に、Jetson Orin Nano Superで動かせる程度の比較的小さなLLMであれば、GPUを使った推論はCPUだけでの推論とは比較にならないほど速い。
もちろん8GBのUMAなので巨大なモデルを動かせるわけではないが、ローカルLLMの検証機としてもなかなか面白い。
買ったもの(散財したもの)
NVMeが手元に余っていたので、かかった費用は総額11万円くらい。8GBのグラボより少し高い。16GBのクラボより少し高い価格レンジ。グラボ単体じゃなく本体丸々付いてていて省電力なのがいい。
NVIDIA Jetson Orin Nano Super Developer Kit
実は「Jetson Orin Nano Super」は、まったく別の新しいSoCを搭載した製品というわけではない。
Jetson Orin Nano Super Developer Kitは8GB版で、従来のJetson Orin Nanoには4GB版と8GB版がある。
従来の8GB Developer Kitも、対応するJetPackへアップデートすることでSuper Modeを利用でき、Jetson Orin Nano Super相当の計算性能を利用できる。
つまり、従来の8GB Developer Kitを持っている人は、Superを買い直す必要はない。
また、Orin Nano以外の対応するJetson Orinシリーズでも、Super Modeによる性能向上を利用できるモデルがある。
Jetsonは「モジュール」と「キャリアボード」という構成になっているので、同じOrin Nano系モジュールでも、NVIDIA純正Developer Kitとは異なるキャリアボードを使った製品も存在する。
NVIDIA製にこだわる人は、買うときにちょっと注意が必要。Jetsonはモジュールとキャリアボードが分かれているため、同じOrin Nano系モジュールを搭載していても、キャリアボードによってコネクタやI/Oなどの構成が異なる場合がある。
NVMe SSD / SDカード
ここは手持ちのものを流用した。
特にNVMe SSDは、手持ちがあるかどうかで総額が2万円くらい変わってくるので注意。
NVMe SSDとSDカードの両方が使えるが、常用するならNVMe SSDをおすすめする。性能面だけでなく、書き込みが続く用途ではSDカードの耐久性も気になる。
そもそも、最初はSDカードスロットがどこにあるのか探し出すのもかなり難しかった。
今回はNVMe SSDを2枚搭載し、2230側をOS用、2280側をデータその他用とした。
基本、Developer KitとNVMeあるいはSDカードがあれば動かせる。すっぽんぽんだが。
カメラ
Yahboom IMX219 CSIカメラ 8MP 対応 Jetson Orin Super開発者キット
せっかくJetsonなので、カメラも接続してみることにした。
とりあえず標準(77°)と広角(120°)の2種類。空いてるソケット、コネクタが許せないだけだが。
ケース
Yahboom Jetsonケース Jetson Nano Orin Nano Orin NX スーパーヒートメタルミニプロテクトケース
実は、40ピン拡張ヘッダーに何か刺して遊びたかった。探してみたところ、ちょうどOLEDディスプレイが付いたJetson専用ケースがあったので、それを入手。
ケースに入れると、電源スイッチとリセットボタンが使えるようになる。さらにファンも付くので安心感がある。
25Wクラスとはいえ、実際に動かしてみるとファンは常時回っているし、ヒートシンクもかなり熱くなる。基板むき出しでも使えるのがJetsonらしいところではあるが、常設して使うのであれば、個人的にはファン付きケースを強くおすすめする。
このケースの欠点は、カメラが収まらないw なので隙間からスルリと出した。いずれ外れそうな気がする。
組み立てについては、ケースそのものはなんとなくでも組み立てられた。
問題は、電源、LED、リセットなどを接続するヘッダーピン。場所が分かっても、ボード上に書いてある文字が小さすぎてほぼ見えない。
さらにカメラの取り付け台も、手先が器用でない自分みたいな人間にはなかなかの難易度だった。
そして、完成品がこちら。

写真だけ見ると、ちょっとしたパソコンである。しかし実物はものすごくコンパクト。いわば、ミニチュアパソコン。OLEDでIPアドレス表示(要プログラム)
そして、このLEDがなんとも言えない。
「こんなにギラギラピカピカ光る必要あるのか?」
という気もしなくはないが、Jetson側から制御できるので、まったくの無駄というわけでもない。
たぶん。きっと。
まぁ、何はともあれ、NVIDIA Jetson Orin Nano Superは、DGX Sparkほどではなく、ちょいとLLMで遊びたい場合の選択肢にはなるかと思う。