KVMのWindowsのVirt IO Driver

投稿者: | 5月 10, 2024

VMwareマイグレーションで、KVMは?という話が一部で盛り上がっている。KVM自体は、実は20年くらいあるのでだいぶ枯れているが、世間ではそれほど使われていなかったので、そういう意味では業界的には経験はほぼない状態かもしれない。なので、VMwareでできていたことができなかったり、設定や考え方が異なっていたりということがある。なので、KVMが普通にトラブルなく使えるかと思うとそんなことがなく、一つ一つ経験を積んでいく必要がある。

以前いた会社の先輩がいっていたのが、環境が異なれば、前の環境の知識、常識は通用しない。まるで、「前の彼氏、彼女は、肉じゃがを作るのが上手かったが、今の彼氏、彼女は肉じゃがすら作れない。前彼氏、前彼女は、今彼氏、今彼女とは別人よ。」と

そこを理解できるかどうかにかかっている

 

閑話休題

この記事は、ダウンロードしておいたほうがいいVMware ToolsバージョンのKVM版かもしれない。

KVMは、仮想マシンの構成時のデバイスに設定によってはめちゃくちゃ遅い。

なので、VirtIOでStorageとNICを構成する必要がある。Linuxの場合は、ドライバが入っているので、特に気にする必要がないが、Windowsの場合、どのVirtIOドライバを使えばいいのか?

それは、各ベンダーが出しているドライバーを使うのが前提。

 

以下は、ドライバーを別途リリースをしている。

 

Nutanix AHV

Nutanixアカウントが必要

https://download.nutanix.com/virtIO/1.2.3/Nutanix-VirtIO-1.2.3.iso

Qemu Guest Agentは不要の代わりにNutanix Guest Toolsのインストールが必要

 

Oracle Linux Virtualization

Oracleアカウントが必要

以下にしたがってOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows バージョン2.1.0をダウンロード

https://docs.oracle.com/cd/F61410_01/kvm-virtio/kvm-virtio-DownloadingtheOracleVirtIODriversforMicrosoftWindows.html#kvm-virtio-signed-os

Qemu Guest Agentはqemu-ga-win-104.0.2-1.el9.noarchに含まれているが最新版ではない。

 

OpenShift Virtualization

Windowsテンプレートでインストールすると自動的にマウントされてくるのでわざわざ入手は不要だが、気になるのであれば、RHEL9.3のものをインストールする。

 

 

問題は、ProxmoxなどVirtIOドライバをリリースしていない環境の場合どうするのか?

Fedoraで出しているVirtIOドライバーを利用すればいいのだが、以下にコメントが書いてある。

https://github.com/virtio-win/virtio-win-pkg-scripts/blob/master/README.md#virtio-win-driver-signatures

All the Windows binaries are from builds done on Red Hat’s internal build system, which are generated using publicly available code. Windows 8+ drivers are cryptographically signed with Red Hat’s test signature Windows 10+ drivers are signed with Microsoft attestation signature. However they are not signed with Microsoft’s WHQL signature. WHQL signed builds are only available with a paid RHEL subscription.

 

つまり

https://fedorapeople.org/groups/virt/virtio-win/direct-downloads/

でダウンロードできるドライバーは

  • Windows 8+ドライバーは、Red Hatのテスト署名
  • Windows 10+ドライバーは、Microsoft認証署名で署名
  • しかし、WHQL署名で署名されていない。

 

有料のRHEL9.4サブスクリプションで入手できるVirtt IOドライバー

  • WHQL署名付きビルド:virtio-win 1.9.38 ISO

 

万全を期すならば、Fedoraのドライバーではなく、RHEL9.4のドライバーということになる。

サブスクリプションからISOイメージをダウンロードをするかvirtio-win-1.9.38-0.el9_3.noarchを入手する。

Qemu Guest Agentは  qemu-ga-win-107.0.0で、Fedoraのページにあるものと同一バージョン。

 

調べてみると、RHELのサブスクリプションがなくてもRocky Linuxから落とせるかもしれない。

https://dl.rockylinux.org/pub/rocky/9/AppStream/x86_64/os/Packages/v/virtio-win-1.9.38-0.el9_4.noarch.rpm

 

よって、まとめると

Nutanix AHV/ Oracle Linuxは、ベンダー提供のVirtIOドライバを使い、それ以外であれば、RHEL9.4で提供されるVirtIOドライバを使う。

Nutanix AHV以外は、Qemu Guest Agentをインストールする必要があるが、最新版は、RHEL9.4のものを使うか、https://fedorapeople.org/groups/virt/virtio-win/direct-downloads/latest-qemu-ga/からダウンロードをする。

ということになる。

 

しかし、本当かどうかわからないがまだまだ噂が絶えない。まぁ、チーズはどこに消えたは常に付き纏う。

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