今日は、NASの整理の日である。そして母の日である。ある日を境に電源を入れなくなったNASがある。監視カメラが付いていただけだが、監視対象は自宅療養というか緩和ケア中のオカンの病床のベッド。何か起きたら飛んでいくためだけのシステム。オカンが亡くなったので電源オフにして、後でオカンの最期を見つめようと整理しておいた。そこそこの性能のSynology DS218+なので、母の日イブにデータだけ取り出しておこうと思った。あの日からもう1年半も経つ。電源オン。動画は全てなくなっていた。
原因は、電源を入れたとたん監視カメラのデータ保持期間が過ぎたので消し込まれてしまった。大抵こういうのって、スムーズに介護をするためだけのツールで、本人がその先どうなるのか?など最悪のことなんて考えていないので、データを残すことなんて考えていない。実は人生って、坂本龍一曰く、「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」である。
閑話休題
SynologyのNASは、SHRというRAIDで、推奨ファイルシステムは、Btrfsである。Btrfsはスナップショットなどを使えて便利だが、管理が大変。(そういう意味でzfsは重複排除もできるが同じ)果たしてサルベージができるのか?ちょっと調べてみると、HDDを取り出して、RAIDやLVMを再構築して、btrfs restoreでサルベージしろと書いてある。
まず、NASのHDDを全て接続ができる数+OSのSATAポート数を持っている環境を用意しなきゃならない。もしそれがあってもHDDの電源もその数確保しなきゃならない。DS218+は幸い2ドライブだが、それほど大変ではない。ただ、NASをいじってこれ以上壊したくない。もう少し調べてみると、2種類ぐらいSynologyの稼働中からサルベージができるツールがあった。どうやらSynologyは、SHRのRAIDとBtrfsの両方をケアしてリカバリをする必要があると書かれていた。
EaseUS Data Recovery (1か月$69.95、1年$99.95、永年$149.95)
https://www.easeus.com/data-recovery-software/nas-recovery.html
ReclaiMe (1回$189.95)
https://www.reclaime.com/library/nas-recovery.aspx
ちなみに、この手のソフトウェアは、成功報酬でお金がかかるので、まずは、サルベージしてみて(ここまで無料)、復元にお金を払うという仕組み。
使い方としては、両ツールともに
前提として、RAIDなどが正常に稼働している必要がある。もしRAIDが壊れている場合は、それを治してから。それが不安ならいっそ業者へ持ち込むことを考えた方がいい)
- Windows パソコンにツールを入れる。(MACはダメ)
- ツールからNASにSSHで管理者権限になれるユーザで接続する。(ReclaiMeは、SFTPも有効にする必要がある。)
- Synologyのドライブが見えるので、サルベージ
自分のSynologyは4TBx2だが、両ツールともにフルスキャンするのに6時間くらいかかった。
結果:
ReclaiMeは、見つかったファイルを随時一覧で出してくれるらしいが、何も見つからず。
EaseUS Data Recoveryは、結構見つけてくれた。データによってはプレビューの確認ができる。
おまけにReclaiMeの1回の値段よりEaseUS Data Recovery の永年の方が安い。おまけにEaseUS Data Recoveryは日本語UI。
まだ、サルベージ中だが、これでオカンの最期の最期の動画が見えそう。壮絶な最期だったのであまり思い出したくないが、人生区切りも必要なんだろうなぁ。
それにSynology DS218+も廃棄できる。といっても7年前の2ベイNASで、1Gbps NICが1つしかついていないが、まだファームウェアが提供されていて、NFSとiSCSIでVMware VAAIが使えたりするので、SSD NASとして現役でつかたりするのだが。電気代ばか喰いのホームラボも一旦区切りを付けたい。NASは、一軒家の建物と一緒で中古だと二束三文でしか売れない。
最後に、この経験を考えるとNASの専用の機能を使って構成するとリカバリが大変。できる限りシンプルが一番だなと思った。