企業内英語化反対の意見の続き
なぜ、反対なのか。
グリーティングやリスペクトがほとんどないから。
例えば挨拶。
向こうで働くと朝も帰りも、そして金曜日の夕方も気を抜いたら負けるというくらい挨拶がある。
朝は、かならずGood Morning!あれ、誰だっけ、明らかに他人?それでもGood Morning!
そもそもの背景は、元は狩猟文化の人のため、昨日あった人が夜中に獣に襲われて食べられてしまい、朝にはいないかもしれない、ということが挙げられる。つまり、Good Morningという言葉の中には、無事によるを過ごせましたね、よかった、という意味がある。つまり、言葉にも意味があるということ。惰性での挨拶や掛け声とは全く概念が違う。
某研修では、入室の際に「入ります」と言いなさいと指導されるが、正確には「扉に入る前」である。扉に入ってしまえば「入りました」となる。オフィス内にこの掛け声が飛んでしまえば、仕事の邪魔、電話の邪魔以外何者でもない。この「入ります」という言葉は、実は軍事映画だと国、文化に関係無く出てくる。つまり、上官の部屋にはいる時に使われる。自分が見聞きしてはいけないことを仮に上官がしていた場合を想定している礼儀正しい言葉だ。なので、オフィスの入口では、不要だと思う。それに、外にいる人間が「どうぞ」という場合があるともうソープオペラも顔負けのコントになる。
つまり、言葉の一つ一つに意味が分からず、挨拶や掛け声をしている組織で英語化なんて程遠いのある。ある人は、戦時中の軍隊のようだと言っているが、前に書いたとおり、軍隊でもやっていない。いわば戦後教育の成れの果て。どこの企業もこういったことは少なからずあるのでは、と思う
私も含めて戦後教育を受けているし。。。
また、もう一つの英語化を阻む理由として、相手をリスペクト出来ない文化があるということ。例えば、自分に関係ない仕事は、仕事はない、という考え。自分に関係がない仕事で大変なのはあなたが仕事をしていないからだという考え。最悪のケースは、給料泥棒なんだから、夜間に仕事して代休が欲しいなんていうなという場合であろうか。
つい最近、他でこんな話を聞くことができた。
海外のブランチから夜間休日の作業依頼があって、日本の下請け企業は、支払いがないからなんでやるんだという話しが出てもめていた。(実際は契約の通りの支払いがキチンと入っているのだが。)そこで、途中に挟まれた担当者が、海外に事情を説明したが、海外サイドとしては、何度契約書を読み返しても契約通り。その担当者も、改めてすぐにFAX送られてきた両者サイン入りの契約書を確認したが、海外のブランチのいう事に間違えはなかったそうだ。結局、仕事の元請けは海外であったので、夜間休日作業を行った。彼曰く、文化の違いでこうなったのかもしれないが、そもそもお疲れ様という言葉が日本のブランチの人からは何も無く、逆にボーナスの評価がガツンと下がったとしょげていた。唯一の救いは、向こうからのソーリーという言葉だけ。海外からしてみると、なんで正しいことをしているのにSorryと言わなければならないのかという疑問が残っただろう。もちろん、すぐに海外のブランチは、契約を解除するように動き始めた。
この話しを聞いて思ったのは、担当者の上司の海外とのコミュニケーションが不足しているのも明らかだが、海外の文化を組織として甘く見ていたのが大きい。この話しはヨーロッパ系の企業の話しだが、米系はもちろん、アジア系でもよく聞く。そう、日本以外の企業は、全てグローバル化が完了している。それ以前に日本における企業の文化として問題だが。
海外へ行ってきた、海外で仕事してきたと自慢する人は、行動態度は要注意。仕事の質をみるべきだ。少なくともLinked inなどのリファレンスを見せてもらった方がいい。たとえ重役でも。ないのであれば、経験がない人よりもたちが悪いかもしれない。
人の扱いによるのかもしれないが、まずは、英語化をする前に企業文化を一度崩壊させて組み直す必要がある。